ライダイハンに正義を、ベトナム戦争中の性的暴行に関する全面調査を国際連合に求める

英国前外務大臣ジャック・ストロー、英国前外務大臣ウィリアム・ヘイグ卿、そして2018年ノーベル平和賞受賞者ナーディーヤ・ムラードが、英国国会議事堂でのイベントを共催

2019116日、イギリス、ロンドン―紛争下の性的暴行に終止符を打つために英国国会議事堂で開催されたイベントでのスピーチにおいて、英国前外務大臣およびライダイハンに正義を(JLDH)の国際大使であるジャック・ストローが、ベトナム戦争中の性的暴行に関する全面調査を国際連合人権理事会に求めた。

「ライダイハン」は、ベトナム戦争中に韓国人とベトナム人の間に生まれた数千人の子どもを指す。JLDHは、ベトナム戦争中に米国軍に従軍していた韓国兵士による性的暴行を受けた、または強姦されたと主張する母親とその子どもたち(800人が現在も生存している)を代表する。

1964年から1973年にかけて、320,000人の韓国兵士がベトナムに派兵され、米国軍と共に戦った。韓国はこれまで、自国の軍隊に対する主張を認めたことはなく、調査も実施していない。自身が強姦を受けたと主張する女性のなかには、当時12から13歳だった女性も存在する。

ジャック・ストローは次のように話す。

「軍による許しがたい行為を直視することは、どの国にとっても難しいことです。しかし、自国が 『血の日曜日事件』のような痛ましい経験から学んだように、真実を明らかにすることは、被害者やその家族の気持ちの整理がつけられるだけではなく、国を強くし、その価値を高めることができます」

「大韓民国のみなさんが気付き、また国際連合が調査の要請を心に留めることを強く望みます。性的暴行の被害者やライダイハンには、自身の存在が認識され、その傷を癒す機会を得る権利があります。私たちは、紛争下の性的暴行に終止符を打つために、最後まで努力することの重要性を世界に示さなければならなりません」

英国前外務大臣および性的暴行防止イニシアチブ共同創始者のウィリアム・ヘイグ卿は以下のように話す。

「紛争下の性的暴行の罪が償われない状態を終わらせることは、公平で平和な世界を守るための最も重要な部分です。これらの非道な行為を防ぎ、誰もが正義を享受できるようにするため、国際連合の保護を受けた常置調査機関に関する確かな事例があります」

2018年にノーベル平和賞を受賞したナーディーヤ・ムラードは以下のように話す。

 「人権を推進し、守っていくことの重要性に気付いた者として、紛争下の性的暴行の全ての被害者のために、自信をもって声を上げたいと思います。」ライダイハンは、あまりにも長い間ベトナム社会の中で息を潜めるように生活してきました。私たちが共に正義を達成する過程で、被害者やその家族には認知される権利があります」

JLDHと、ベトナムのための英国議員連盟(APPG)の議長を務めるウェイン・デイビット下院議員が後援する本イベントは、性的暴行を防止するための取り組みを行う人々と、議員が一堂に会し、性的暴行を消滅させるために必要な段階について話し合うことを目的としている。ライダイハンの団体メンバーは、性的暴行の生存者が直面している社会的な恥辱、そして被害者が正義を勝ち取るためには何ができるのかについて議員に対して講演を行う予定である。 他の講演者には以下が含まれる。紛争下の性的暴行防止に関する英国首相の特別代表と英連邦および国際連合大臣を兼任するウィンブルドンのアーマッド卿、ライダイハンの団体メンバー。


ライダイハンとは?

「ライダイハン」とは、ベトナム戦争中に韓国兵士によって強姦を受けたベトナム女性が産んだ数万人の子どもたちを指す。1964年から1973年にかけて、320,000人の韓国兵士がベトナムに派兵され、米国軍とともに戦った。

強姦や性的暴行の被害者のなかには、当時12から13歳だった女性も存在し、800名以上が今も生存している。そして現在、その強姦や性的暴行によって生まれた数万人のベトナム人と韓国人の混血児の若者が、ベトナム社会なかで息を潜めるように生活をしている。

ライダイハンやその家族の多くは、深刻な貧困にあえいでおり、読み書きができないほか、医療や教育といった社会福祉も利用することができていない。韓国政府は現在に至るまで、この性的暴行の事実を認めておらず、兵士が犯した犯罪についても謝罪をしていない。